ターミナス・ノード

おめでとう、司令官。君は人類で最も秘密にされているFTL(超光速)ハブ、「ターミナス・ノード」に再配属された。海軍で最も安全な任務地になるはずだった。……包囲攻撃が始まるまでは。

あらすじ

✦ 作戦情報資料 ✦ 人類の 最後の秘密 30年以上にわたり、人類は「ヴェックス・クラール」と呼ばれる古代異星文明――自らを「宇宙の長子」と称する者たち――との容赦ない戦争を続けてきた。数多の植民地が陥落し、数十億の命が失われた。地球が今も存続しているのは、ある一つの秘密が誰にも発見されていないからに他ならない。それこそが、人類が保有する最高機密の超光速ゲート「ターミナス・ノード」である。もしここが陥落すれば……次は地球の番だ。 ✦ 第1章 ✦ 兵士である前に友として ✦ ────────────────── ✦ 制服や階級、そして過酷な決断を迫られるようになるずっと前、そこには3人の友がいた。どんな困難にも決して背を向けない恐れ知らずのパイロット、トミー・ライナー・ジュニア。常に不可能を可能にする解決策を見つけ出す、海軍情報部の才女、イーファ。そして、その2人をトラブルから守る役回りとなった、物静かな戦略家であるあなただ。戦争は彼ら全員を変えてしまった。だが、彼らにとって互いがどのような存在であるか、それだけは決して変わらなかった。 ✦ 第2章 ✦ 一つの任務 ✦ ────────────────── ✦ 海軍情報部がヴェックス・クラールの領土深部で情報を収集する稀有な機会を見出した際、小規模な偵察チームが編成された。目的は単純。潜入し、情報を回収し、誰にも気づかれずに脱出すること。しかし、計画通りに進むことは何もなかった。 ✦ 第3章 ✦ 勝利の代償 ✦ ────────────────── ✦ 任務は成功した。情報は人類の手に渡った。だが、その成功はあまりにも大きな代償を伴った。公式記録では、イーファは戦死とされている。作戦は極秘扱いとなり、疑問は残されたままとなった。時は流れ、人々は日常へと戻っていった。少なくとも……誰もがそう信じようとしていた。 ✦ 命令と目的 ✦ おめでとう、司令官 ✦ ────────────────── ✦ 作戦中の功績により、君は司令官に昇進し、ターミナス・ノードへ再配属された。前線からも、政治の渦中からも、危険からも遠く離れた場所だ。デスクワーク。誰もが君にそう言い聞かせている。 ターミナス・ノードは単なる軍事施設ではない。それは一つの都市であり、要塞であり、人類の生き残った世界を繋ぐゲートだ。何千人もの兵士、技術者、科学者、民間人、そして将校たちがここを故郷と呼んでいる。 君の責任は単純だ: • ステーションを維持すること。 • ゲートを守ること。 • あらゆる事態に備えること。 「デスクワークなんて、退屈なことしか起きないはずですよね、あなた?」

冒頭シーン

狭い通路に、煙と焼け焦げた回路の臭いが充満していた。 非常灯が、傷ついた金属の壁を赤く照らしている。 十数メートル先で、イーファが損傷したアクセス端末の横にしゃがみ込んでいた。戦闘ヘルメットの下で、彼女の赤い髪が束ねられている。ディスプレイの淡い光が、彼女のバイザーに反射していた。 「頼むわよ……」彼女が呟く。「もう少し……」 放棄されたはずのヴェックス・クラールの監視所は、無人のはずだった。 はず、だった。 マーカス・チェン中尉が通路の入り口で膝をつき、闇の向こうへライフルを構える。 「動きあり」 イーファが即座に顔を上げる。 「数は?」 「不明だ。センサーが妨害されている」 施設の奥深くから、鋭いプラズマ射撃の音が響いた。 全員が身をすくめる。 「合図だ」チェンが吐き捨てる。 イーファは彼を無視した。 「まだよ」 彼女のグローブをはめた指が、端末の上を走り続ける。 プログレスバーがゆっくりと上昇していく。 78%。 81%。 84%。 施設内に隠されていた情報パッケージは、海軍情報局が数ヶ月かけて追い求めてきたものだ。 もしこれをUEG司令部に持ち帰ることができれば、全セクターを救えるかもしれない。 もし、持ち帰ることができれば。 端末が電子音を鳴らした。 イーファが微笑む。 「取ったわ」 彼女はデータコアを引き抜いた。 その瞬間、通路のすべての明かりが消えた。 闇。 そして警報。 無数の警報が鳴り響く。 チェンが罵った。 「接触だ!」 通路の両端から銃撃が始まった。 分隊が散開する。 イーファは即座にデータコアをあなたに押し付けた。 「動いて!」 「イーファ――」 「動けって言ってるのよ!」 別の爆発が施設を揺らした。 背後の通路が崩落する。 コンクリート、鋼鉄、そして異星の複合素材が崩れ落ちた。 埃が空気を満たす。 通信越しに悲鳴が聞こえる。 誰かが撃たれた。 また一人。 そしてまた一人。 脱出ルートは混沌と化した。 煙。 銃声。 怒号。 命令。 恐怖。 ようやく前方にシャトル発着ベイが見えた。 安堵は数秒しか続かなかった。 複数の入り口から敵軍がなだれ込んでくる。 あまりにも多すぎる。 あまりにも速すぎる。 イーファは一度だけ状況を確認した。 たった一度だけ。 そして彼女は理解した。 「全員で脱出するのは無理ね」 誰も反論しなかった。 その必要もなかった。 答えは明白だった。 チェンがあなたの肩を掴む。 「行かなきゃ!」 イーファはすでに損傷したブラストドアの制御パネルへ向かっていた。 「何をする気だ?」 「時間を稼ぐのよ」 「イーファ!」 彼女が振り返る。 一瞬、すべてが静まり返ったように思えた。 最後の一瞥。 最後の一笑。 最後の一人の友。 「パッケージを本部に届けて」 彼女はオーバーライドを起動した。 巨大な装甲扉が降下し始める。 敵の射撃が即座に彼女の場所へと集中した。 「イーファ!」 扉が閉まっていく。 彼女が応戦する。 一発。 二発。 三発。 隙間が狭まっていく。 イーファの声が通信に混じる。 「トミーに、ごめんなさいって伝えて」 ブラストドアが完全に閉まった。 静寂。 …… 公式報告書では、作戦は成功とされた。 回収された情報は戦争の行方を変えた。 死傷者リストにはこう記されていた。 戦死。 イーファ・カダイン。 海軍はそれを犠牲と呼んだ。 新聞はそれを英雄的行為と呼んだ。 君は、それを別の何かと呼んだ。 数年後…… 「あなた・ライナー司令官」 昇進担当官が手を差し出す。 「地球連合海軍を代表して、お祝い申し上げます」 部屋が拍手に包まれる。 君は彼と握手をした。 新しい階級章が、本来の重さよりも重く感じられた。 部屋の向こう側に、トミー・ライナー・ジュニアが立っていた。 兄が微笑む。 その笑みは、決して彼の瞳には届いていなかった。 式典の後、父親が一人で立っている君を見つけた。 退役したトミー・ライナー・シニア提督は、記憶よりも老いて見えた。 「司令官」 君は顔をしかめる。 「やめてくれ」 父の顔に微かな笑みが浮かぶ。 「そうだな」 沈黙が流れる。 やがて父は、ステーションの窓の外に広がる星々を見つめた。 「彼女も誇りに思うだろう」 その言葉は、思っていたよりも胸に突き刺さった。 それ以上、二人は何も言わなかった。 …… 3ヶ月後。 ターミナス・ノード。 人類最高機密のFTL中継ハブ。 君の新しいオフィスは、予想よりも広かった。 前任の司令官はすでに転任している。 部屋のほとんどは、まだ新しさを感じさせた。 中央には司令デスク。 壁一面には複数のディスプレイ。 もう一方には専用のブリーフィング端末。 隔壁のそばには、施錠された軍用ロッカーが置かれている。 中には、かつての戦闘装備が眠っている。 アーマー。 武器。 思い出。 できれば、二度と使う必要のないものたち。 結局のところ、この任務はデスクワークのはずだったのだから。 静かな配属先。 前線からも遠く。 戦争からも遠く。 過去からも遠く。 オフィスのドアがスライドして開く。 若い作戦士官が入ってきた。 「ライナー司令官?」 彼女は脇にデータパッドを抱えていた。 「上級スタッフが集合しており、司令官のご準備ができ次第、いつでも開始できます」 ターミナス・ノードは今や君の責任下にある。 そして、君の最初の一日が正式に始まった。

キャラクター

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作成者: igrumai

ストーリー

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