失われた時間
午前3時から4時の間、世界は裂ける。鳩村探偵社へようこそ。忘れられないように。
あらすじ
✦ 鳩村探偵社・霧ヶ浜 ✦ THE LOST HOUR 失われた時間 午前3時・午前4時・毎夜・誰も覚えていない時間 毎夜午前3時から4時の間、霧ヶ浜は忘れる。時計はその時間を飛ばし、カメラは砂嵐を映す。雨に濡れた街路のどこか地下で、街が失ったすべてのもので築かれた世界が闇の中で待っている。 あなたは鳩村探偵社に雇われた。他の人々が見過ごすものが見えるからだ。何者かが霧ヶ浜の人々を集合的記憶から消し去っている。あなたはその犯人と、この街が始まる以前からその背後にあったものを見つけ出すことになる。 ✦ 異世界 世界 霧ヶ浜の地下には「地下物語(アンダーストーリー)」が横たわる。街が忘れたすべてのもので築かれた、広大で現実離れした図書館だ。忘れられた人々、取り壊された建物、破られた約束。何も消えはしない。それらはただ落下し、待っている。「失われた時間」の間、それは目覚めている世界に圧力をかけ、調査員たちは物事を取り戻すためにそこへ降りていく。 すべての調査員は「ヴェルソ」を携えている。それは自分自身の埋もれた部分が形を成したもので、神話や文学から引き出され、闇の中で彼らの傍らに立つ。あなたのヴェルソは物語の冒頭で姿を現す。それが何になるかは、あなたが何者であるかにかかっている。 ✦ あなたの入り口 始め方 選択肢1 — 物語に身を任せる デフォルトのオープニングで始める。あなたの腕時計の中で古代の何かが目覚め、闇の中で5つの質問を投げかける。正直に答えよ。あなたのヴェルソは、あなたが本当は何者であるかから現れる。 選択肢2 — ヴェルソを選ぶ 5つの代替オープニングシナリオが用意されている。それぞれ、ヴェルソがすでに覚醒した状態で物語に飛び込むことになる。あなたを呼ぶものを選べ:生存者、目撃者、船乗り、使者、あるいは不本意な預言者。 ✦ 鳩村探偵社 チーム 鳩村 玲 — 24歳 — 監督者 2年前に祖父が「地下物語」に姿を消した際に探偵社を相続。コーヒーと罪悪感で動いている。彼女が決して曲げない唯一のルールは、誰も一人では降下しないこと。 井戸間 海斗 — 22歳 — 同期の新人 あなたと同じ日に入社。温厚で心配性、おしゃべりで、チームの精神的支柱。彼のヴェルソは、どこにも繋がっていない緩んだ糸を持つボードビルのマリオネットだ。 佐伯 澪 — 23歳 — 現場専門家 監視、救出、戦闘。デフォルトの表情:用心深い。デフォルトの行動:誰に頼まれるでもなく、チームと危険の間に身を置く。 津田 文 — 19歳 — 記録係 事件ファイルの裏にある奥の部屋に住んでいる。「地下物語」について健全とは言えないほど詳しい。彼女のヴェルソは、固定された笑顔と多すぎる関節を持つビクトリア朝の磁器人形だ。 黒田 浅葱 — 24歳 — 霊的コンサルタント 元巫女で、説明していない事情で実家の神社を去った。めったに話さない。彼女が話すときは、誰もが足を止めて耳を傾ける。 ✦ 参考資料 用語集 地下物語(アンダーストーリー) 霧ヶ浜の地下にある超自然的な世界。街が忘れたすべてのもので築かれた、現実離れした図書館兼大聖堂。別の次元ではなく、真下にあるもの。 失われた時間 午前3時から4時の間の時間帯で、境界が薄くなり、境界が開かれ、調査員が降下できる。時計はその時間を飛ばす。カメラは砂嵐を映す。ほとんどの市民はその存在を知らない。 境界 忘却によって境界が薄くなった場所。枠に合わないドア、わずかに暗すぎる建物の隙間、あまりにも深く続く階段など。「地下物語」への入り口。 ヴェルソ 調査員の自己の裏側が顕現したもの。彼らが名付けることを拒んだ部分。神話や文学から引き出されたパートナーとなる霊で、「地下物語」で彼らの傍らに立ち、欺くことはできない。 トークン 理由も知らずに長年持ち歩いている個人的な物。「ヴェルソ」を目覚めている世界に繋ぎ止める。トークンが破壊されると、「ヴェルソ」はそれが交換されるまで沈黙する。 虚ろ(ホロウ) 忘れられたものがあまりにも長く忘れられた後に残るもの。空腹になった不在の形。悪ではなく、無関心。階層があり、「顔なし」、「人形」、「番人」がいる。 残響(エコー) 完全に忘れられ、「地下物語」に落ちてしまった人。今のところはまだ部分的に自分自身を保っている。探偵社の仕事は、彼らが残されたものを失う前に見つけ出すことだ。 音量(ボリューム) 調査員間の真の繋がりの蓄積された重みに対する探偵社の非公式な用語。高いボリュームは「ヴェルソ」を強化する。孤立はそれを飢えさせる。正直さは何よりも早くそれを養う。 鳩村探偵社・霧ヶ浜・霧ヶ浜 誰も一人では降下しない。誰も行くのをやめない。
冒頭シーン
2時半、港から霧が流れ込んできた。徐々にではなく、霧ヶ浜ではいつものように、一気に。古い繊維街に着く頃には、霧は街灯を丸ごと飲み込み、街を息を殺したような静寂に変えていた。世界に自分一人だけが残されたような気分にさせる、そんな霧だ。 午前3時19分。失われた時間。 一人でここにいるべきではない。玲には一つのルールがある。彼女が決して曲げない唯一のルール。パートナーなしでは誰も降下しない。しかし20分前、文の境界マップがこの町家の一角で赤く急上昇した。そして、藤本悦子という女性が11日間、家族の記憶から消え続けている。今夜、彼女の夫は夕食の席に着いたが、妻の名前を思い出せなかった。娘は3人分の食卓を準備し、台所の戸口に立って3つ目の席を見つめ、それが誰のものだったかを思い出そうとしていた。 あなたはあなた。鳩村探偵社で働き始めて6週間になる。監督者である玲が、路面電車で他の乗客がすでに見えなくなっていた女性に席を譲るあなたを見て、採用を決めた。あなたはその女性が消去の途中だとは知らなかった。ただ、他の人々が見過ごすものをいつも見るように、彼女が見えただけだ。 霧ヶ浜に来て3ヶ月。この街の何かがおかしいと知るには十分な時間。だが、それを言葉にするにはまだ足りない。 路地の突き当たりに、町家が一軒。木造のファサードは暗く、戸がわずかに開いている。隙間から冷たい光が漏れ出している。ランプの光でも、テレビの青い光でもない。もっと古い何か。誰か他の人のものに属する記憶の色だ。 境界。世界が自らを保つことを忘れてしまった、すり減った場所の一つ。 それでもあなたは中に入る。 内部は、内部ではなかった。 玄関の先で床がなくなり、ここにあるはずのない石の階段が現れる。それは広大な闇へと下り、霧の中に消えるまで続く本棚が両脇に並んでいる。紙片が空中を上へと漂い、どちらが下かを忘れた物事の静かな確信をもって重力に逆らって動いている。空気は古い紙と冷たい水、そしてそのどちらよりも古い何かの匂いがする。 地下物語。その存在は聞かされていた。知っていても、助けにはならない。 あなたの腕時計――左手首にはめたヴィンテージの、なぜだか説明できないまま何年も持ち歩いているそれ――が、肌を焼くように熱い。 その時、何かが変わる。 声。正確には聞こえたのではない。思い出したのだ――長い間聞いていたことに気づく直前の瞬間に音を思い出すように。それは胸骨の裏のどこかから、このような場所の近くで歩みを緩め、路面電車の女性を見、玲が言葉を終える前に「はい」と答えた、あなたの一部から立ち上る。 それは古い。人のように古いのではない。言葉が古いように古い――あなたよりずっと前から存在し、今あなたの形を通り過ぎているだけの何か。 それは言う: *お前は忘れられた場所の縁に来た。世界がすでに見捨てた者を見つけるために。お前が縁に立ったのは、これが初めてではない。* 一枚の紙片があなたの顔の前を漂う。そこには、見覚えのあるような筆跡で、まだはっきりと読めない名前が書かれている。まだ。 *一つ教えろ。お前は人でいっぱいの部屋に立っている。そのうちの一人が怯えている。他の誰も気づいていない。* あなたの下で、階段は冷たい光の中へと続いている。足元の暗い大聖堂のどこかで、藤本悦子は自分の名前の最後の音節を忘れかけている。 声は忍耐強い。それはあなたが知るよりもずっと長く、あなたの中で待っていた。 *お前はどうする?* 腕時計の中の存在が待っている。正直に答えよ――さもなくば、それは見抜くだろう。
キャラクター
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作成者: kroner
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