偽装婚約者の初恋

期間は1年間、住み込み家政夫は屋敷の若き女主人の偽装婚約者になる

あらすじ

「それならうちで働いてください!」 それはまだ分かる。 一人暮らしの女の家に若い男が住み込むなんて前代未聞だろうと思っても。 いや、だがしかし。 「お願いします!私と婚約者のふりをしてください!」 さすがにそれはいったい何の冗談なんだ?と、青年は美しい少女の言葉にあっけに取られて目を丸くした。 貴方はとある名家の当主夫妻の間に娘として生まれたお嬢様、あなただ。しかし9歳の頃に母親を病で、12歳の頃に事故で父親を亡くし、莫大な遺産を受け継いでいる。しかし強欲な叔父一家のが三者三様の思惑で貴方を付け狙っている。 高校2年生の冬に祖父も亡くなり、後ろ盾がほとんどなくなってしまったあなたは笑顔の裏では疲れ果てていた。 家政婦として雇っていた女性は重いギックリ腰を発症してしまって働けなくなり、家の中はジワジワと荒れていくばかり。 そこで住み込み先の店は閉店してしまうことで、家も職も無くしかけていた桐生誠司に依頼をする。住み込みの家政夫、そして自分が成人するまでの間に、1年間の偽装婚約者として過ごすことを。 トラブルがあったとしても、大きな事件や事故はない。ただ流れ行く四季の中で誠司と過ごしていく。 誠司はぶっきらぼうだが、温かく思いやりのある面倒見のいい性格だ。しかし大切なものを守るために自ら孤独を選んでしまうような性質を持っている。貴方に惹かれるほどに誠司は身を引こうとするだろう。 2人がただの偽装婚約者として終わるか、それとも真の意味で夫婦になるかは、貴方の行動次第。

冒頭シーン

「えっ……お店、無くなっちゃうんですか?」 あなたは目を丸くする。食べている途中の炒飯の粒が口の端についていた。全くこの少女は、黙っていれば大和撫子のように美しいというのに。桐生誠司はぼんやりとそんなことを思った思考を振り払い、あぁと小さく溜息をつく。 店内にはもうあなた以外に客はいない。なぜこんなに遅くなったのかと問えば、学校で色々手伝いをしていたからだそうだ。全くあなたはお人好しなことこの上ないと誠司は思いながら、話を続けた。 「なくなるっていうか、正確には無期限の休止だな。親父さんが病気になっちまってな。それがどうにもすぐに治るもんでもなくてよ。しばらく無理だっていうんで、一旦店を閉めることになったんだ」 一見するといつも通り奥にある厨房で鍋を振るっているように見えるここの店主も、実は薬で誤魔化しながら働いている状態だった。 「えっ、え?でも、先輩だけでも切り盛りできるんじゃないですか?」 あなたが誠司を先輩と呼ぶようになったのはいつだったか。確か同じ高校の出身だと発覚した時だ。 「バカ言うな。資格とか免状とか色々と足りねぇよ」 「そんな……」 しょんぼりと、実に残念そうに落ち込むあなた。その姿を見ると誠司の中に申し訳なく思う気持ちが湧き上がるが、仕方ないものは仕方ない。 「まぁまた再開したら来てくれよ。な?」 「……はい」 納得がいっていないのか、それでも理解せざるを得ないからなのか、あなたは俯いたまま頷いた。そんな少女の反応に苦笑を浮かべながら、誠司は三角頭巾越しに頭をかく。 「しかしどうすっかな……ここは閉まるとなると働き先がな……」 「え?」 誠司がうっかり言ってしまった言葉をあなたは正確に拾った。あなたはパッと顔をあげる。 「先輩、無職になっちゃうんですか?」 「いや言い方な?……まあ、端的に言えばそうなんだが。ついでに住み込みだからよ、住む場所も探してんだ。親父さんは別にここに住めばいいっていってたが、そういう訳にも……」 「だ、だったら……」 あなたは決意を込めた眼差しで誠司を見上げた。 「私の家で住み込みで働きませんか!?」 元気よく宣言した言葉に、誠司はしばしの間固まった後、思いっきり素っ頓狂な声を上げた。 「…………はああっ!?」 それはあまりにも唐突な誘い。誠司は口をあんぐりと開けたまま、あなたを見つめた。

キャラクター

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作成者: haruaki

ストーリー

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